愛知県名古屋市を拠点に活動する相続専門家集団レクサーの代表税理士。
20歳の頃、実家が相続税で失敗したことをきっかけに相続税専門の税理士を目指し、26歳で開業。
※この記事は動画説明付きです。
「遺言」
これ、なんて読むか知ってますか?
「ゆいごん」でしょ!?
はい、その通りです。
でも、法律の勉強をした人間は「いごん」って読む方が多いんです。
法律の道を進む人がだいたい読むであろう書籍に遺言(いごん)とフリガナがうってあるからか、伝統なのか、法律用語に漢音が多いからか諸説ありですが...
そんな読み方に諸説ありな遺言書ですが、遺言書はいつでも、どこでも、何回でも自由に書き直すことができます。
そのため、実際に相続の場面になるとこっちの人もあっちの人も
「私は遺言書を預かっています!」
なーんて名乗り出ることがあります。
今回はそんな遺言書が複数出てきたときの話をトラブル事例を使って名古屋で一番分かりやすく説明します。
トラブル事例
亡くなったお父ちゃんは残される家族が相続争いをしないように遺言書を準備していた。
いざ相続が発生してみるとなんと遺言書がふたつも...。
一つは公正証書遺言で日付を見ると5年前に書かれているようだ!
もう一つは自筆証書遺言で亡くなる1年前に書かれていた。
新しい遺言書が優先?古くても公正証書が優先?
これどっちが有効なの?
答えは!!
原則は新しい遺言書が優先的に有効になります!
あまり知られていませんが、遺言書には「普通の方式」と「特別の方式」があります。
普通の方式には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」があります。今回の事例で問題となった自筆証書遺言と公正証書遺言、どちらの遺言も民法という法律に規定された正式なものですので、どの方式が優先されるといった制限はまったくありません。
もちろん、民法も「人の気持ちは時間が経つと変わる!」ことを想定していますので、遺言は常に新しいものを優先させることになっています。
厳密に言うと「抵触する部分については新しい遺言を優先する」なんですが。
せっかくなので民法の規定をご紹介します。
民法1023条1項
「前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。」
法律の言い回しってややこしいですよね。簡単に例を挙げるとこんなイメージです。
お父ちゃんが「一子に全財産を相続させる」と5年前に遺言書を書いていたが、亡くなる1年前に「三郎に全財産を相続させる」という遺言書を書いていたら5年前に書いた遺言書の内容全部を撤回していることになりますので、結論としては全財産を三郎が相続することになります。(遺留分については無視して説明しています。)
こんなケースもあります。
お父ちゃんが「一子にA,B,Cを相続させる」と書いていたが、そのあとに「Aを三郎に相続させる」という遺言を作っていたケース。この場合には5年前に書かれた遺言書の内容すべてが無効になるのではなく、「一子がAを相続する」という部分だけ限定で無効になります。
結論はこうです。
B,Cについては一子が相続して、Aは三郎が相続することになります。
まとめ
遺言書は新しいもの好きだってこと分かって頂けましたか?
ただし、自筆証書遺言の場合には法律で決められた条件を満たしていなければ無効とされてしまうこともありますので気を付けてくださいね。
相続の専門家としては公正証書遺言の方が法律の条件面での間違いが起こりづらくなりますし、改ざんや盗難される心配もないためオススメです。
また、遺言書の内容を書き換える場合には初めに「いついつ作成した遺言書はその内容のすべてを撤回する。」といった文言を入れてやることで、遺される方たちが揉めてしまうリスクを押さえられると思います。
愛知県名古屋市を拠点に活動する相続専門家集団レクサーの代表税理士。
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