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相続税の障害者控除ってなんぞや!?

相続税の障害者控除ってなんぞや!?

この記事の執筆者

愛知県名古屋市を拠点に活動する相続専門家集団レクサーの代表税理士。
20歳の頃、実家が相続税で失敗したことをきっかけに相続税専門の税理士を目指し、26歳で開業。

代表税理士 伊東秀明の写真

伊東 秀明

相続税には決められた条件をクリアした場合に使える「税額控除(ぜいがくこうじょ)」という制度があります。

 

税額控除には6種類あり、今回はそのなかの「障害者控除」という項目について解説していきます。

 

 

障害者控除は所得税や住民税にもありますが、相続税の障害者控除は、

「本当は相続税を全額支払わなければならないけど、障害をもった方や介護が必要な方については医療費や施設代等の費用が多くかかる面があるため、相続で財産を取得したとしても障害の程度に応じて税金を減額しましょう!」

という制度です。

 

ちなみに、よく勘違いされていますが

障害者控除は障害者だけが受けられる制度ではありません!

 

要介護の方でも受けられることがありますので、要介護認定を受けている方も

「自分は障害者控除受けられるかな?」

って確認してみて下さいね!

 

 

相続税の障害者控除は、例えば30歳の方(特別障害者)であれば支払う相続税が1,100万円減額してもらえるため見落とすわけにはいけない制度です。

 

 

では早速、相続税の「障害者控除」について名古屋で一番詳しく解説していきます。

 

相続税の税額控除のうちのひとつ、「未成年者控除」について知りたい方はコチラをご覧ください!画像をクリック>>

相続税の未成年者控除ってなんぞや!?

 

 

障害者控除の金額は年齢と障害の程度によって異なる!

相続税の障害者控除は、相続が起こったときの障害者の年齢障害の程度によって変わります。

ここで、気を付けたいのが制度の名称は「障害者控除」となっていますが、要介護であっても相続税を減額してもらえることがあるという点です。

 

障害者手帳をもっている人だけが受けられるのではなく、かなり幅広く適用を受けられますので

「私は障害者ではないから受けられない!」

と勘違いしないでくださいね!!

 

要介護であっても相続税の障害者控除は受けられるんです!!

 

 

では、障害者の方の相続税は具体的にいくら減額してもらえるのでしょう?

 

 

相続税の計算上では障害や要介護の程度に応じて

「障害者」「特別障害者」

の二つに分類します。

 

「障害者」の場合には10万円

 

「特別障害者」の場合には20万円

 

この金額に85歳になるまでの年数を乗じて相続税の障害者控除金額を計算します。

 

 

算式にしてみるとこうなります。

相続税の障害者控除計算式1

 

相続税の障害者控除計算式2

 

例えば、特別障害者の方が30歳8か月のときに親を亡くして相続人になったとしましょう。

この障害を持った方が85歳になるのは54年4か月後なので、1年未満を切り上げすると55年です。

特別障害者に該当する場合には20万円を乗じるので、算式はこうなります。

55年×20万円

障害者控除の金額は1,100万円となります。

相続税の障害者控除計算例

 

 

障害者本人以外でもこの制度が使えることがある!

通常、障害者控除は障害者本人しか使うことができません。

 

しかし、障害者本人から相続税をマイナスしきれなかった場合には、障害者本人以外でも障害者控除の恩恵を受けられることがあります。

 

 

ちょっと分かりづらいと思うので例を出しましょう!

相続税の障害者控除通常のケース

相続税の障害者控除、枠が余った場合の取り扱い

 

 

 

障害者控除の余った枠は自由に配分できる!

障害者控除で障害者本人が使い切れなかった枠は他の人で使えることは分かって頂けましたね!

 

では、障害者の方以外の相続人が二人以上いるときはどうするのでしょうか?

 

答えは「相続人同士で自由に配分を決められる!」です。

障害者控除の余った枠は自由に配分できる

 

もちろん、話し合いで余った枠の配分が決まらないようであれば、遺産の取得割合に応じて割り振るという方法もあります。

 

 

障害者(10万円)に該当する人

知的障害者(児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター、精神保健指定医の判定により知的障害者とされた方)

②精神障害者保健福祉手帳を持っている方(1級の方は特別障害者に該当します。)

③身体障害者手帳を持っている方(1級または2級の方は特別障害者に該当します。)

④戦傷病者手帳を持っている方(特別項症から第3項症までの方は特別障害者に該当します。)

⑤常に就床を要し、複雑な介護を要する者のうち、その障害の程度が①または③に準ずる者として市町村長等の認定を受けている方

⑥65歳以上の方で①または③に準ずるものとして市町村長等の認定を受けている方

 

 

特別障害者(20万円)に該当する人

①重度の知的障害者(児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター、精神保健指定医の判定により重度の知的障害者とされた方)

②精神障害者保健福祉手帳1級の方

③身体障害者手帳1級または2級の方

④戦傷病者手帳の特別項症から第3項症までの方

⑤原子爆弾被爆者で厚生労働大臣の認定を受けている方

⑥常に就床を要し、複雑な介護を要する者のうち、その障害の程度が①または③に準ずる者として市町村長等の認定を受けている方のうち重度の方

⑦65歳以上の方で①または③に準ずるものとして市町村長等の認定を受けている方のうち重度の方

 

 

まとめ

相続税の障害者控除のこと分かって頂けましたか?

 

 

相続税の障害者控除は他の税額控除と比べて多くの税金を減額してもらえる制度ですので、障害者控除の枠が余ってしまうことも多々あります。余った枠は他の相続人でも使うことができますので見落としがないようにしましょう!

また、要介護であっても障害者控除を受けられることがありますので障害者控除が受けられるか否かしっかりと確認することが大切です。

 

障害者控除は税理士が作成した申告書でも適用漏れが頻発する項目です。

 

なぜなら税理士であっても「障害もってますか?」とはなかなか聞きづらいからです。

相続税だけでなく所得税や住民税も要介護の方でも障害者控除が受けられることがありますので、過去の自分の申告を見直してみて下さいね!

 

ちなみに、税理士事務所レクサーではすべてのお客様に「税金安くなるけど、障害持った方とか要介護の方はいないですか~?大丈夫~?」と確認しています。税理士に確認されたことのない方は、「要介護だけど障害者控除受けられる?」って聞いてみましょう!

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