愛知県名古屋市を拠点に活動する相続専門家集団レクサーの代表税理士。
20歳の頃、実家が相続税で失敗したことをきっかけに相続税専門の税理士を目指し、26歳で開業。
みなさんは毎年どのくらいの相続税が返金されているかご存知ですか?
なんと!436億円です。
一度支払った相続税が戻ってくる。なぜそんなことが起こるのかそのメカニズムを解説します。
相続に強い税理士が少ないワケ!これが知られざる税理士業界の実態
「税理士はどんな仕事をしていると思いますか?」
こんな質問をするとほとんどの方は
「あんまり詳しく知らないけど税金の計算!?」
なーんて、答えが返ってきます。
もちろんこれは大正解で、税理士は税金を扱う専門家なのですが扱っている税金のほとんどが法人税や所得税、消費税といった会社の決算や毎年3月に行われる個人の確定申告に関係する税金なんです。
日本に存在する会社が約382万社ですから一人当たり年間49.6件なんです。税理士が会社の顧問をするほとんどの場合で月次決算を行いますので、仮にひと月のうち25日間勤務しても一日2件の顧問先との打合せと資料作りをすることになります。さらに、毎年2月と3月は個人の確定申告を大量にこなさなければなりませんから、めっちゃ忙しいんです。
会社の経営者の方や経理担当の方、個人の確定申告を税理士に依頼している方はイメージが付きやすいかもしれませんが、なかなか連絡がつかなかったり、レスポンスが悪かったりしますよね。
「うんうん。わかるわ~!」っていう方もいらっしゃるでしょう。
そんな状態ですので、ほとんどの税理士は相続に時間をかける暇がなかったり、相続の勉強まで手が回らないんです。
これが何を意味するかお分かりですか?
そう!
ほとんどの税理士は相続税の扱い方を詳しく知らない!
ということなんです。
論より証拠です。
これをご覧ください。
国税庁が平成29年12月に発表した「平成28年分の相続税の申告状況について」によると平成28年分の相続税申告書が税務署に提出された件数は105,880件です。
これに対して税理士の登録人数は約77,000人ですから一人当たり年間1.37件なんです。
実際には私のように相続税専門で年間数十件の相続税申告書を作成している税理士も中にはいますので、一人当たり年間1件も作成できていないのが現実だと思います。
相続税の申告書を作成したことがない税理士や数年に一回しか作成しない税理士も数多くいると思います。
さらに、相続はたった1回きりの仕事なのに比べて、会社は半永久的に仕事になります。要は、会社の顧問をしておけばよっぽどくいっぱぐれはないんです。
そう考えてみると一般的な会計事務所にとって相続の仕事は通常業務プラスアルファのボーナス的な仕事とも言えるわけなんです。
税理士業界はこんな実態ですので相続に強い税理士が少数派なのも納得です。
毎年めちゃくちゃ多くの相続税が払いすぎになっている!
記事の冒頭で毎年436億円の相続税が還付されているとお伝えしました。これも論より証拠です。
国税庁が毎年公表している統計情報(詳細は国税庁ホームページで)をご覧ください。
平成28年436億円
平成27年385億円
平成26年391億円
平成25年469億円
平成24年441億円
平成23年426億円
いかがですか?一度納められた相続税が毎年これだけ返還されているんです。
少し衝撃的な金額ですよね!?
では、ここで問題です!!
「税務署は払いすぎた相続税を自動的に返金してくれる。〇か×か?」
答えは!!
×です!
税務署が自動で返還してくれることはありません!!
相続税申告のメカニズムと税務署の思惑
なぜ払いすぎた相続税が自動的に戻ってくることはないかって?
それは相続税申告のメカニズムにあります。
相続税の申告は相続の開始があったことを知った日(ほとんどの場合で亡くなった日のことを指します。)の翌日から10か月以内に税務署に行わなければなりません。
そう!
「自分で相続税を計算して申告してね!」ということなんです。
これを申告納税方式といって「私の身内の○○が亡くなりました。これだけの財産がありましたので××円の相続税をお支払いします。」というイメージです。
相続税は計算が複雑で、財産評価もかなり専門的な内容になりますのでほとんどの方が税理士に代理で申告書を作成してもらって税務署に書類を提出します。
自分で申告書を作成するにしても、税理士に代理で作ってもらうにしても税務署としては
「あなたが正しいと思って自分で計算した相続税なんだから多く払いすぎているかなんて知らないよ!」
というスタンスです。
いや、極端な話こんな感じです。
「多く払いすぎたかなんて知らないよ!でも税金が足りないときは追徴課税に行きまっせ!」
では、どうやったら相続税を返してもらえるのか?
相続税を返還してもらうのにはルールとタイムリミットがある!
相続税を戻してもらうことを通称、相続税還付(そうぞくぜいかんぷ)といいます。
正式には「更正の請求(こうせいのせいきゅう)」といって国税通則法第23条に定められた是正手続きです。要は、「私は依然、相続税は××円ですと申告しましたが、それは間違いでした。そしてその間違いはどこそこの部分で正しくは~~です。そのため、□□円の相続税が払いすぎになっているので返却して下さい!」という手続きをするんです。
ちなみに、この相続税還付手続きにはタイムリミットがあります。
具体的には「相続税の申告期限から5年以内」です。
相続開始からだと5年10か月以内ということになります。
これが一番危険!
こんな会話がとっても危険。
お客様「こんなもの(相続税還付のチラシや案内)が届いたけど。ウチは先生に頼んであるから大丈夫だよね?」
税理士「もちろん大丈夫です!○○様の相続税はバッチリ計算してますから!」
お客様「そうですよね!じゃあ、これは捨てても大丈夫ですね!」
これ、よくありがちな会話です。
でもちょっと待って!
税理士が大丈夫というのは当然ですよね?
なぜなら自分が計算した相続税なんだから...。
普通は口が裂けても「自信がないから頼んでみて下さい」とは言えないですよ。
だからこそ危険なんです。相続税申告の隠れた落とし穴に気づくことなく相続税還付の期限が過ぎてしまいます。
(ちなみに私は自分のお客様に同じ質問をされたら「どうぞ見てもらってください!」と言っています。なぜなら自分の作成した申告書に自信があるからほかの税理士に見られても良いんです♪)
相続税還付は通常、相談・査定が無料で、しかも完全成功報酬制で行われています。費用が発生するのは実際に相続税の還付に成功して、事前に指定した預金口座に税務署から相続税が返金された時だけですのでやってみて損はないんです。
仮に相続税が戻ってこなければ他の税理士から無料で当初の相続税申告書の内容が正しかったとお墨付きをもらえるんですから。
相続税還付にチャレンジしてみて相続税が戻ってきたらラッキー、戻ってこなくても間違いがないことが分かって良かったねという結論なんです。
相続税還付でよくある質問
①当初の税理士に知られないか?悪くないのか?
最初の税理士に知られることはほとんどありません。なぜなら、相続税還付を行う税理士には守秘義務があるため依頼者以外に情報を漏らすことはありませんし、相続税還付の書類を受け取った税務署側にも守秘義務があるため当初に申告を行った税理士にわざわざ相続税還付請求があったことを連絡することはあり得ないからです。また、相続税還付は法律で納税者に認められた権利ですのでまったくうしろめたい手続きではありませんし、お客様の税金が戻ってきたことを悪く言う税理士はいないと思います。
②他の相続人と一緒でなければ相続税還付はできないのか?単独でできるのか?
相続税還付手続きは単独でも行うことができます。
③税務署に目を付けられることはないのか?
絶対にありません。相続税還付請求は国の法律に定められた正式な手続きですし、税務署の仕事は適正な納税を実現させることですので真摯に対応してくれます。また、一般の方にとって一度納めた税金を返してもらう手続きは物珍しい手続かもしれませんが、税理士や税務署にとってはよくある処理だからです。
④税理士に作成してもらったから大丈夫ではないのか?
そうとは限りません。税理士にも得手不得手や専門分野がありますし、相続税の計算に絶対はありません。現実に毎年多額の相続税が還付されています。
まとめ
相続税の財産評価は専門家にとっても頭を悩ませる項目が頻出するものです。
相続税を一度納めた方はセカンドオピニオンとして違う税理士に見てもらうこともひとつです。
また、これから相続税の申告をする方は相続税を余分に払いすぎてしまわないように税理士選びに気を付けましょう!
私でよければ自信をもって相続税還付手続きも、相続税申告もお手伝いさせて頂きます。
気になる方はお気軽にご連絡ください!
相続税還付のこともっと詳しく知りたい方は当事務所WEBサイトで!
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代表税理士 伊東秀明