愛知県名古屋市を拠点に活動する相続専門家集団レクサーの代表税理士。
20歳の頃、実家が相続税で失敗したことをきっかけに相続税専門の税理士を目指し、26歳で開業。
生産緑地は、1992年から始まった制度で2022年で制度開始から30年ということになります。
生産緑地の指定から30年を経過すると、いつでも生産緑地の解除ができますが、固定資産税等の税制優遇措置が縮小されることになります。
生産緑地をご所有の方にとっては税制優遇措置を防ぐ方法として特定生産緑地制度への移行も検討事項でしょう。
今回は世間の注目も集めている『生産緑地』の相続税の評価方法について解説していきます。
生産緑地の概要
生産緑地とは良好な都市環境を確保するため、農林漁業との調整を図りつつ、都市部に残存する農地の計画的な保全を図るためのものです。
生産緑地になるためには生産緑地法で定められた下記3条件を満たす必要があります。
①良好な生活環境の確保に相当の効果があり、公共施設等の敷地に供する用地として適しているもの
②500㎡以上の面積
③農林業の継続が可能な条件を備えているもの
生産緑地として指定されることで固定資産税や相続税等の優遇措置を受けられますが、一定期間の農地以外に利用できないなどの制限を受けることになります。
生産緑地の評価
生産緑地の評価は、その土地が生産緑地でないものとして評価した価額から、その価額に次に掲げる生産緑地の別に、それぞれの割合を乗じて計算した金額を控除した金額により評価します。
(1) 課税時期(相続又は遺贈の場合は被相続人の死亡の日、贈与の場合は贈与により財産を取得した日)において市町村長に対し買取りの申出をすることができない生産緑地
・5年以下のもの⇒10%
・5年を超え10年以下のもの⇒15%
・10年を超え15年以下のもの⇒20%
・15年を超え20年以下のもの⇒25%
・20年を超え25年以下のもの⇒30%
・25年を超え30年以下のもの⇒35%
(2) 課税時期において市町村長に対し買取りの申出が行われていた生産緑地又は買取りの申出をすることができる生産緑地
⇒5%
(注) 被相続人がその生産緑地の主たる従事者の場合は、(2)の「買取りの申出をすることができる生産緑地」になります。つまり、生産緑地でないものとして評価した価額の95%相当額で評価することになります。
なぜ生産緑地は評価減額できるのか?
生産緑地に指定されると一定期間は農地等としてしか利用できないことになります。
しかし、その一定期間を経過すると時価で市町村長に買取を申し出ることが可能となります。
そこで、買い取りの申し出を行うことができるまでの間、農地等として利用し続けなければならない影響度を最大30%として、残り期間が短くなるにつれて影響度に傾斜がつけられています。
では、なぜ買い取りの申し出ができるものも減額(5%)ができるのか?
それは市町村長に生産緑地を買い取ってもらう場合には一定の手続を行う必要があり、さらにある程度の期間を要するなどの点を考慮して、別途5%の減額が認められています。
まとめ(生産緑地は相続税の負担が大きい!?)
生産緑地をご所有の方の多くが「固定資産税が安くなるから!」という理由で生産緑地を選択したかと思います。
ところが相続税の土地評価では生産緑地は多少の減額はあるものの、固定資産税評価額ほど大きな減額は行われませんので、相続税の負担が大きくなります。
相続税は相続から10か月以内に現金一括払いが大原則となっていますので、亡くなった方が生産緑地をご所有だった場合には、可能な限り早めに概算相続税額を把握し、納税資金の準備を開始する必要があります。
生産緑地や農地の相続については相続専門の税理士事務所レクサーにご相談下さい。
愛知県名古屋市を拠点に活動する相続専門家集団レクサーの代表税理士。
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