借地権の使用貸借(贈与税の誤りやすい事例)
【事例】
太郎さんは借地の上に立っている建物を長男一郎君に贈与しました。
このときに土地の賃貸借契約書の名義も一郎君に変更しました。
この時の贈与税の取り扱い方は?
【誤った取扱い】
一郎君は建物の評価のみを行って贈与税申告をしました。
【正しい取扱い】
建物だけでなく借地権についても評価して、贈与税申告をします。
ただし、下記の条件を満たせば建物だけの贈与として贈与税申告することができます。
①賃貸借契約書の名義を変更しない
②太郎さんは使用貸借によって一郎君に借地権を転借する
③「借地権の使用貸借に関する確認書」を提出する
根拠法令(使用貸借通達)
借地権を有する者(以下「借地権者」という。)からその借地権の目的となっている土地の全部又は一部を使用貸借により借り受けてその土地の上に建物等を建築した場合又は借地権の目的となっている土地の上に存する建物等を取得し、その借地権者からその建物等の敷地を使用貸借により借り受けることとなった場合においては、借地権の慣行のある地域においても、当該借地権の使用貸借に係る使用権の価額は、零として取り扱う。
この場合において、その貸借が使用貸借に該当するものであることについては、当該使用貸借に係る借受者、当該借地権者及び当該土地の所有者についてその事実を確認するものとする。
(注)
1 上記の確認に当たっては、別紙様式1「借地権の使用貸借に関する確認書」を用いる。
2 上記確認の結果、その貸借が上記の使用貸借に該当しないものであるときは、その実態に応じ、借地権又は転借権の贈与として贈与税の課税関係を生ずる場合があることに留意する。
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この記事を書いた人
相続専門税理士 伊東 秀明
愛知県名古屋市を拠点に活動する相続専門家集団レクサーの代表税理士。 20歳の頃、実家が相続税で失敗したことをきっかけに相続税専門の税理士を目指し、26歳で開業。
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