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一括で受け取った生活費と教育費(贈与税の誤りやすい事例)

【事例】

太郎さんは東京の大学に進学することとなった長男の一郎君に在学中4年間の生活費として720万円(15万円/月×48か月)を渡し、一郎君はこのお金を預貯金とした。

【誤った取扱い】

このお金は生活費に充てるためのものなので贈与税はかからないとして、申告しなかった。

 

【正しい取扱い】

生活費や教育費に充てるための現金の贈与で非課税の対象となるのは、生活費や教育費として必要な都度、直接これらの用に充てるために贈与した財産に限られます。

そのため、一郎君のように生活費として受け取ったお金を預貯金とした場合には贈与税が課税されます。

また、預貯金ではなく株式や家屋の購入費用とした場合にも贈与税が課税されます。

もし、相続税の節税対策の一環で教育費を一括して贈与したい場合には「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」制度を利用するようにしましょう。

根拠法令(相続税法基本通達21の3-5

法第21条の3第1項の規定により生活費又は教育費に充てるためのものとして贈与税の課税価格に算入しない財産は、生活費又は教育費として必要な都度直接これらの用に充てるために贈与によって取得した財産をいうものとする。したがって、生活費又は教育費の名義で取得した財産を預貯金した場合又は株式の買入代金若しくは家屋の買入代金に充当したような場合における当該預貯金又は買入代金等の金額は、通常必要と認められるもの以外のものとして取り扱うものとする。

この記事の執筆者

愛知県名古屋市を拠点に活動する相続専門家集団レクサーの代表税理士。
20歳の頃、実家が相続税で失敗したことをきっかけに相続税専門の税理士を目指し、26歳で開業。

代表税理士 伊東秀明の写真

伊東 秀明

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