リゾート会員権の相続税評価方法～７割評価で節税も可能！？～

最近の相続税申告ではリゾート会員権の財産評価を行うことが増えてきています。

 

リゾート会員権の代表的なものにリゾートトラスト社のエクシブやベイコート、東急不動産のハーヴェストなどがありますが、被相続人がこれらの不動産所有権付きリゾート会員権を所有していた場合の相続税評価はどのように行うのでしょうか？

 

今回は今後も増え続けるであろう、リゾート会員権の相続税評価額の計算方法について解説します！

 

リゾート会員権とは

リゾート会員権とは会員制リゾートの滞在利用権のことです。

リゾート会員権の形態は大きく分けると２種類あり、所有権型と利用権型に分けられます。

 

所有権型は分譲マンションのように特定の一部屋を区分所有する形態や客室や施設を複数の会員で区分所有する形態などがあります。

 

利用権型はゴルフ会員権と同様に不動産自体の所有権を持たず、施設を利用する権利だけが付与されます。

 

リゾート会員権の評価方法

リゾート会員権は通常、施設の優先的利用権、保証金の返還請求権及び不動産の共有持分から構成されており原則として取引事例比較法により計算することとされています。

 

取引事例比較法とは過去の取引事例を収集して、その取引価格について事情補正（売却に至った事情の経緯）や時点修正（いつ取引があったのか？今ならどうなるのか？）など様々な要因を比較して評価する方法です。

 

しかしながら、この方法は現実的ではないため実務上、リゾート会員権は

「通常の取引価額の70％」

で評価することとされています。

 

通常の取引価格とは「実際に売ったらいくらになるのか」です。

リゾート会員権の場合には上場株式のように公開された市場が存在しませんので、インターネット上で相場を検索する方法や業者に時価の鑑定評価を依頼して把握することになります。

 

通常の取引価格の70％で評価できる理由

リゾート会員権はゴルフ会員権と同様に、上場株式のような公開された市場が存在しません。

そのため、会員権取引業者が仲介して売却するケースや所有者と取得者が直接取引を行うケースなど取引の態様が一様ではなく、取引業者の仲介の場合であっても価格形成が業者によってバラつきが生じることが一般的です。

つまり、取引価額を基礎として評価するとしても評価の安全性を考慮する必要があり、通常の取引価格の70％で評価することとされています。

 

なお、未納管理費等がある場合において、管理規約等により当該債務が買受人に承継されるときは、当該未納管理費相当額を公売特殊性減価後に控除する（つまり、７割評価した後の金額から未納管理費相当額を控除するということです。）。

 

まとめ

リゾート会員権が通常の取引価格の70％で評価できるのは、その価格形成にバラつきがあるため保守的な相続税課税を行おうという意図があります。

 

旅行やリゾートが好きな方はリゾート会員権を購入しておけば、相続税評価額と時価の乖離を利用した節税が可能になるといえるでしょう。

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