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子連れ再婚の相続問題。連れ子に相続権はあるのか!?

子連れ再婚の相続問題。連れ子に相続権はあるのか!?

こんな質問を受けたことがあります。

 

 

「連れ子がいる方との結婚を考えているんだけど、私が亡くなったときどうなるの?」

「先日、父が亡くなったのですが。私は母親の連れ子で、父とは直接の血縁関係はないんですが相続はどうなるんですか?」

 

どちらの質問も本質は同じです。

 

連れ子に相続権はあるのか?

 

今回は連れ子の相続権と遺産の残し方について解説します。

 

子連れ再婚で見落としがちな相続トラブル

子連れ再婚で気になるのはやはり「再婚相手の子供とうまくやっていけるかな」「子供は再婚相手になついてくれるかな」ということでしょう。他にも様々な悩みがつきまとうものですが、ほとんどのケースで自分たちにもしものことがあった場合にどうなるのかまでは考えが及ばないものです。

 

目先の生活も大切ですが、将来必ず発生する相続のことも視野に入れておく必要があります。

 

 

それでは、連れ子がいる場合の典型事例をご紹介します。

 

Question

私は妻と5年前に再婚しました。再婚当時妻には前の夫との間の子供がおり、その後私と妻の間に2人の子供を授かりました。妻の連れ子とは直接の血縁関係はありませんが、実の子供たちと同じように愛情を注いで家族5人で仲良く暮らしています。

もし私が亡くなった場合には妻の連れ子に相続権はあるんですか?

相続のとき再婚相手の連れ子はどうなる?

Answer

連れ子と養子縁組をしているか否かによって異なります。

 

配偶者の連れ子の場合には数年、数十年と一緒に生活しているといっても養子縁組をしていなければ相続人になることはできず、相続権がありません。

 

自分にもしものことがあったときに、連れ子にも遺産を残したいと思うのであれば養子縁組をしておくか、遺言書を作成しておくことが必要です。

 

養子縁組をしなければ再婚相手の連れ子に相続権はない

 

すでに連れ子との間に養子縁組をしている場合には、その連れ子は相続人となり実子と同じだけの相続権が発生します。

 

再婚相手の連れ子と養子縁組をしていれば相続権がある

 

連れ子にとっての注意点

連れ子にとっての注意点は養子縁組した場合であっても実親との血縁関係はきれず、相続権があるということです。

つまり、今回のケースでいくと、実の親(母親が離婚した相手)、母親、養親(母親の再婚相手)の3人の相続人になるということです。

生活を共にしていくのは母親と養親ですのでこの2人の相続人になることは問題ないかもしれませんが、実の親とは疎遠になっていることがほとんどですので、気を付けたいポイントです。

なお、特別養子縁組を行えば実親との血縁関係を切ることができ、相続権が発生しないようにすることができるのですが、連れ子の場合、原則として特別養子縁組を行うことはできません。(もちろん、例外的に認められることもあります。)

 

養育費の負担義務

養子縁組をすることで養親と養子の間に扶養義務が生じます。民法は基本的には実親よりも養親との関係を優先しているため、養親が養育費を負担しなければならないこととなります。

 

つまり、養子縁組の成立とともに実親からの養育費の支払いはストップします。

(注)養親に養子を養うだけの収入がない場合には養育費の減額となります。

 

相続税計算上のはなし

相続税を計算する上では「3,000万円+法定相続人の数×600万円」までは非課税とされています。

ここで問題となるのが法定相続人の数で、養子については制限が設けられています。

 

この法定相続人の数について、相続税法では、

「実子がいる場合には養子は1人まで」

「実子がいない場合には養子は2人まで」

と規定しています。これは、いたずらに養子縁組を行うことで相続人の数を増やし、相続税を減らそうとするのを防ぐためです。

 

ただし、連れ子を養子縁組した場合にはこの規定の適用をうけることはありません。

つまり、連れ子養子は何人でも法定相続人の数に含めることができるということです。この取り扱いを間違えてしまうと相続税を多く納めすぎてしまうことになりますので注意ポイントです。

 

まとめ

相続が発生すると法律のルールを知らなかったがために本意ではない結果を招いてしまうことがあります。

将来、問題とならないように存命中に対策をしておきましょう!

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この記事を書いた人

相続専門税理士 伊東 秀明

愛知県名古屋市を拠点に活動する相続専門家集団レクサーの代表税理士。 20歳の頃、実家が相続税で失敗したことをきっかけに相続税専門の税理士を目指し、26歳で開業。

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