贈与税の配偶者控除の婚姻期間20年の計算方法(贈与税の誤りやすい事例)
【事例】
太郎さんと花子さんは2001年8月に婚姻をした。
太郎さんは今年で婚姻20年を迎えるので2021年5月に花子さんに自宅を贈与した。
【誤った取扱い】
贈与を受けた年の年末で婚姻期間20年以上となるため、贈与税の配偶者控除を適用した贈与税申告をした。
【正しい取扱い】
贈与税の配偶者控除の適用要件である婚姻期間20年以上の計算は婚姻の届出日から贈与の日までの期間で判定し、1年未満の端数は切り捨てることとなっています。
そのため、今回の事例では贈与日時点では婚姻期間が19年ですので贈与税の配偶者控除は適用できません。
根拠法令(相続税法施行令4の6②)
法第二十一条の六第一項に規定する婚姻期間は、同項に規定する配偶者と当該配偶者からの贈与により同項に規定する居住用不動産又は金銭を取得した者との婚姻につき民法第七百三十九条第一項(婚姻の届出)の届出があつた日から当該居住用不動産又は金銭の贈与があつた日までの期間(当該期間中に当該居住用不動産又は金銭を取得した者が当該贈与をした者の配偶者でなかつた期間がある場合には、当該配偶者でなかつた期間を除く。)により計算する。
根拠法令(相続税法基本通達21の6-7)
法第21条の6に規定する婚姻期間を計算する場合において、その計算した婚姻期間に1年未満の端数があるときであっても、その端数を切り上げないのであるから留意する。したがって、その婚姻期間が19年を超え20年未満であるときは、贈与税の配偶者控除の適用がない。
相続の解説動画をYouTubeで配信中!!チャンネル登録も宜しくお願い致します!
相続税申告や節税対策・遺言書のことなどお気軽にご相談ください!
この記事を書いた人
相続専門税理士 伊東 秀明
愛知県名古屋市を拠点に活動する相続専門家集団レクサーの代表税理士。 20歳の頃、実家が相続税で失敗したことをきっかけに相続税専門の税理士を目指し、26歳で開業。
伊東 秀明 プロフィールはこちら