3月15日までに完成しないマンションに関する住宅取得等資金の贈与(贈与税の誤りやすい事例)
【事例】
一郎君は令和2年に新築分譲マンションを購入する契約を行い、令和2年中に親から住宅取得等資金の贈与を受けた。
なお、マンションの完成時期は令和3年4月の予定である。
【誤った取扱い】
マンションの完成は令和3年4月だが、令和3年3月15日において屋根を有し、土地に定着した建造物と認められるため状態なので住宅取得等資金の贈与特例が適用できるものとして贈与税申告を行った。
【正しい取扱い】
請負契約による「新築」の場合には、贈与を受けた年の翌年3月15日時点において「棟上げ」以降の状態にあれば住宅取得等資金の贈与特例の取得要件をみたしますが、分譲マンションや建売住宅の場合は売主から引き渡しを受けたときに取得要件をみたします。
そのため、今回の事例ではマンションの完成時期が令和3年4月で引渡しを受けていませんので、住宅取得等資金の贈与を受けることはできません。
根拠法令(租税特別措置法通達70の2-8)
措置法第70条の2第1項第1号に規定する住宅用家屋の取得及び同項第2号に規定する既存住宅用家屋の取得の意義については、70の3-8((住宅用家屋の取得の意義))を準用する。
根拠法令(租税特別措置法通達70の3-8)
措置法第70条の3第1項第1号に規定する住宅用家屋の取得及び同項第2号に規定する既存住宅用家屋の取得とは、売主から住宅用家屋の引渡しを受けたことをいうものとする。したがって、いわゆる建売住宅や分譲マンションについては、売買契約が締結されている場合又はこれらの建物が措置法規則第23条の6第1項に規定する新築に準ずる状態にある場合であっても、その引渡しを受けていない限り、措置法第70条の3第1項第1号に規定する住宅用家屋の取得には該当しないことに留意する。
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この記事を書いた人
相続専門税理士 伊東 秀明
愛知県名古屋市を拠点に活動する相続専門家集団レクサーの代表税理士。 20歳の頃、実家が相続税で失敗したことをきっかけに相続税専門の税理士を目指し、26歳で開業。
伊東 秀明 プロフィールはこちら